にゃかしまー

にゃかしまー!!!

マリア様がみてる 卒業前小景

寝ねがてにマリみての新刊を読む読む。
まあ、惰性感があるのも事実だし、だらだらしてて話が進まないのは正直イラッと来るし、全てにおいて今更な本シリーズ。
とはいえそんなのとは比較にならないくらいにグダグダなグインサーガを読んでいる自分は大丈夫なのです。
それに、長編としてのストーリーラインは全く評価しないのですが、短編集なんかは小粋なので割と好きです。
本作もそういうののクオリティの高いVerって感じでなかなか楽しく読めました。
ひねりの利いたちょっといい話を時間軸や視点を変えながら連結させることによって、1冊の本に仕上げてる感じでしょうか。
こういうのは女性作家的ですよね。男性作家はもうちょっと骨太にしちゃいますので。
また、今回は卒業前ということで、いろいろな別れを取り上げているのですが、その雰囲気作りはなかなかですね。
とはいえ、この感傷的な感じは男性には欠けていたりするので、感情移入がさっぱり出来ないのが悲しいところ。
つまるところ、男性読者は増えてこそいますが、きちんとティーン女子向けの作りになっているのですよね。
まあ、これを狙ってやっているのかどうかはわかりませんが、効果としてはアリかな、と思います。
しかしアレですよ、ちょっといい話ばかりの本作なので、読後しばらくしたら全く何も残らないのが凄いですね。
キャラクター性と世界観のみ取り沙汰され、お話がさっぱり記憶に残ってくれないのはどうなんでしょう。
それもまたひとつの成功例ということで、いろいろ面白く考察することが出来そうです。

マリア様がみてる 32 卒業前小景 (コバルト文庫)

マリア様がみてる 32 卒業前小景 (コバルト文庫)