にゃかしまー

にゃかしまー!!!

貝掛温泉

同居人氏のお誕生日ということで、一泊の温泉旅行に行ってきました。
場所はいろいろ迷った末に「日本秘湯を守る会」のページで見つけたこちらの貝掛温泉へ。
位置的には越後湯沢から苗場に行く途中にある、他になんもない孤立した温泉&宿ですね。
前情報では目に効くとのことなので、日頃眼球を酷使しまくっている我々には丁度いいかな、ということで選びました。
アクセスは越後湯沢駅から苗場方面に向かう路線バスに揺られて約20分。
そこから細い道を抜けて貝掛温泉館に到着します。
建物自体はかなり古い庄屋作りの一軒宿。梁なんかもかなり極太で味わいのある建物でした。
お風呂は清掃時間以外はずっと入れて夜中も温泉を楽しむことが出来ます。


と……前情報としてはこんな感じ。
温泉自体は源泉がかなりぬるいとのことでしたが、それをネガティブ要素ではなくポジティブに展開。
源泉温度が36〜37度と体温にかなり近いので、寒さを感じるほどでもなく延々と入っていられます。
もちろんそれだけではなく加温の湯船も併設されていて、飽きたらそこであったまる感じ。
ぬる湯の源泉とあったかい加温湯に交互に入ってエンドレスで温泉を楽しめる幸せ。
こいつはかなり癖になります。
泉質自体はパンチがないのですがそれも長時間入っていられる一因になってますね。
ここ最近攻撃的な温泉が好みだったのですが完全に好みをひっくり返されました。そのくらいよいです。
設備自体も古い作りを出しつつもぼろっちい感じはなく丁寧に手入れされていて清潔感があります。
露天風呂では雪を眺めながら庄屋作りの建物を見ているとそれだけで癒されますね。
成分が目に効くかどうかという話については正直わかりませんでした。
温泉自体でリフレッシュしているのかも知れませんし、温泉の効能なのかも知れませんし。取り敢えずスッキリしました。
お部屋の方は古いけど清潔で要所要所をきちっとしている印象です。
問題は全くないのですが、やはり古い建物のせいか隣の音などがよく響きます。
ので、大声でお喋りしたりするのには向きません。
ただ、場所が場所なのでお子様やガキっぽい若者がほとんど皆無なのであまり気になりませんね。
むしろこっちが迷惑かけちゃってるんじゃないかと不安になるくらいで。
朝晩のお料理に関しては贅沢というよりはかなり気の利いたメニューを出してきます。
以下、夜のお献立

  • 前菜 湯葉チーズ豆腐、穴子八幡巻、腹身きんこ、そら豆
  • 先付 菜の花辛子和え、イイダコ木の芽味噌
  • 御椀 豆乳銀餡がけ
  • 御造 紅鱒
  • 焼物 岩魚塩焼き
  • 鍋物 猪しゃぶ
  • 蒸物 甘鯛蕪蒸しフカヒレ鼈甲餡
  • 揚物 蟹しんじょう、やーこん、舞茸、かじか、獅子唐
  • 酢物 氷魚なます霙和え
  • 食事 新米・南魚沼塩沢産こしひかり
  • 止椀 ふのり・車麩・小松菜の味噌汁
  • 香物 三種
  • 果物 りんご赤ワイン煮、いちご

という感じ。地域性をかなり強く出しているようで珍しいものが多いです。
揚げ物焼き物は出来立て別途運んできてくれる感じ。
岩魚の塩焼きがかなーーーり美味でした。
波打って串打ちしたのを焼いたもので、塩だらけの尻尾以外頭も全部食ってしまいましたよ。頭もサクサク。うめぇ。
かじかの揚げ物なんかもいい感じ。紅鱒の刺身もサーモンとは違います。
唯一しゃぶしゃぶがつまんない気がしましたが、こういうご飯ではあったかいものが嬉しいのでアリ。
うまい南魚沼産コシヒカリに合わせる漬け物は大根の酒漬けや野沢菜のたまり漬けなど、珍しくしかもかなり美味。
味噌汁もふのりとお麩という具の選択にはかなりのセンスを感じました。
全体を通してよくある構成なのによくあるメニューではなくここでしか食えないものを出してくれるのでよいです。
ちなみに別注で岩魚の姿作りを食いました。こいつも美味。
板前さんのお薦めということでチェックインの時につけるか訊いてくれたのも嬉しいですね。
ちなみにオプションでのどぐろの鍋など食えるのもすげーと思いました。
普通新潟と言えば蟹だよ! それなのにのどぐろ。そこがわかってると思います、マジで。
蟹ならどこでも食えるし新潟とは言え山の中で食わなくてもいいしね。
朝食もシンプルでありながらピンポイントで面白いところをついてくるのでよいです。
自分は納豆食えませんが、納豆も黒豆でしたし、漬け物も夜と同じでうまいし。
焼き鮭も身がしっかりしっとりほっくりしていて、脂っ気が強くなく強い旨みがありました。
デザートにノンシュガーのヨーグルトにブルーベリーソースをかけて出してくれてたり、とにかく食については文句なしです。
更に言うと部屋に置かれてたお茶請けすらうますぎます。
桜の葉を練り込んだかなりうまいお饅頭に上質な小麦粉せんべい、更に干し梅まであってお茶請けのレベルじゃねーです。
特に桜のお饅頭はうますぎるので宿内の売店でお土産に買ってしまいました。
もちろんこれ、越後湯沢のお土産屋なんかには置いてないです。
かなり気に入ったのでいずれ再訪したいと思います。
若干全体的にお高めではありますが、内容を考慮すればまったく高く感じませんでした。
秘境っぽい温泉の割には意外とアクセスはお手頃だし……うーん、いいなぁ。また来よう、うん。


っと。
温泉はこんな感じなのですが、越後湯沢の駅に失望することも多かったので、今回はいろいろ吟味しました。
つまみについては全て味見して厳選されたものばかり。
プチかまぼこ明太マヨ味、蕗味噌、行者にんにくたまり漬け、イカ沖漬けの4種。
お酒については選びに選んで酒屋を渡り歩き、緑川の純米吟醸を買いました。
もうね、緑川以外買う気なかったし。そこ以外で全く見かけなかったし。
つーかすげー酒屋でした。緑川と久保田くらいしか置いてない。他は隅っこの方にちょびっと置いてあるだけ。
しかも緑川ってば久保田より高くて参りました。
でも久保田なんぞは日本中どこでも飲めるんでもちろん緑川。
緑川、うまいんですよねー。新潟の酒はあまり好きじゃないんですがこれだけは好きです。
水のようにするっと入るのにいい感じの癖があってつまみの味を引き出します。
なんかね、飲んでると味覚が研ぎ澄まされていく感じ。
蕗味噌のフキの香りがぱあっと膨らむし、沖漬けのイカワタのパンチのある味わいにもぴったり合います。
日本酒飲みまくりだったらきっと帰りにも緑川買って帰ってただろうなぁ。そのくらいうまかったです。
今後は越後湯沢で酒とつまみ買うならあそこで緑川買おう。変なの買うとガッカリするしね。


あー、写真はテキトーにアップしてみました。
以下のような感じです。